PORTER
「カバンとは第一に荷物を運ぶ道具でなければならない」
これこそが吉田カバン創業者の吉田吉蔵が若くして被災した関東大震災での経験から得た理念です。
生き永らえて終戦を迎えた吉蔵は「使うほどに馴染み、永く愛用していただけるカバン」作りを目指し独立。
使用するお客本位の物作りで、ジッパーの開閉でマチを広げたり狭めたり出来る吉田のエレガントバッグは
大好評を博します。1950年代には皇后陛下がテニスでお使いのカバンが吉田カバン製だったのは有名な話です。
そんな吉蔵が更なる転機を迎えるのは1960年に入り、自社ブランド「PORTER」をスタートさせた事でした。
お客様の手元に渡った商品が「どこが手掛けた物なのか」を明確にし、それを伝えて行くためにと考えての事
でした。ブランド名はホテルの「ポーター」に由来し、常にカバンに触れ、その良さを知る者という事を意味
しています。
その後のPORTERブランドは「NYデザイナーズ・コレクティブ」への出展、バーニーズニューヨークをはじめと
する海外大手での展開、80年代に入っての「タンカー」シリーズの発表とその快進撃は留まることを知らず、
グッドデザイン賞では受賞の常連となりました。2015年には創業80周年を迎え今なお創業当時の顧客第一の
目線からなる、職人気質の日本製に拘る物作りには一点の曇りもありません。