
PUMA
PUMAを語る際に避けられないのはadidasの存在。お互いが世界でも屈指のスポーツブランドですが、創始者が兄弟であった事は意外と知られていない事実です。ドイツのニュルンベルク近郊のヘルツォーゲンアウラッハという街でルドルフとアドルフのダスラー兄弟は「ダスラー兄弟製靴工場」を創立しました。これが後のPUMAとadidasの前身です。スポーツそれぞれに専用のシューズが必要だという考えの下に、彼らが作る選手本位のシューズは好評でまた選手は数多の大会で好成績を収め、兄弟のブランドは世界に知れ渡る事となります。
1948年に二人は袂を分かつこととなりますが、兄のルドルフが創設したブランドがPUMAです。1950年代から1960年代にかけて、サッカーと陸上競技でPUMAブランドを履いた選手たちは輝かしい戦績を収めます。1967年には現在に至るまで使われている飛び跳ねるPUMAを模したロゴの原型が完成し、1970年代になるとそれまでメインでサポートしていたサッカーと陸上競技に加えてバスケットボールやテニスにも進出します。王様ペレ、ヨハンクライフ、ディエゴマラドーナをはじめとするサッカー界のレジェンドやテニスではボリス・ベッカー、マルティナ・ナブラチロワ、近年では男子短距離界の絶対王者として君臨するウサイン・ボルトの成功の歴史もまたPUMAと共にありました。
1990年代にはJILSANDERとのコラボレーションを皮切りにファッション界とスポーツ界の協業に最初に取り組んだパイオニア的存在となりました。2015年米国の女性歌手リアーナがウィメンズトレーニングのグローバルアンバサダー及びプーマウィメンズクリエイティブディレクターに就任したのも記憶に新しいところです。こうした良い意味で型にはまらず、次にどうなるか予測が出来ない柔軟さを持つ点においてPUMAは非常に魅力的です。またそれこそが現在のポジションにPUMAを押し上げた原動力なのです。これからもPUMAは型破りな柔軟さでもって時代を切り拓いて行きます。