MINNETONKA
MINNETONKA（以下、ミネトンカ）は1946年にアメリカはミネソタ州、ミネアポリスにて創業のシューズブランドです。ブランド名はミネソタ州の隣州である、サウスダコタ州の「グレートスーネイション」に暮らしていたダコタインディアン達の「mni　tonka」という言葉に由来するとされています。これは「great　water」＝「大いなる水」を意味し、ミネソタ州に今も実在する地名ともなっています。おそらくこの言葉はミネトンカ湖を指しているのでしょう。その湖畔で彼らはひっそりとインディアン達の日常的に履いているシューズであるモカシン（一つの革で足を包む、という意味）を作り販売することでその歴史をスタートさせました。

「SOFT　LEATHER　MOCS　REAL　COMFORT」と銘打って、当時3ドル80セントで販売された彼らのモカシンは価格もさることながら、その謳ったコンセプトにたがわぬ履き心地で徐々に人気を博します。大々的な広告などを行わなかったにも拘らず、口コミで広まっていった彼らの作る履き心地の良いモカシンはギフトショップの定番となり、60年代に端を発するヒッピー達が支持したフリンジと80年代に訪れたウェスタンスタイルの流行でモカシンが若者の足元を飾ることでトレンドの中心を担う存在となりました。その後のミネトンカの隆盛は我々も良く知るところです。アメリカの文化、ボヘミアンなどのトレンドではミネトンカの存在が欠かせませんでした。サブカルチャーの旗手として、ミネトンカはハリウッドセレブリティの足元まで飾ることとなります。

今日ではモカシンの代名詞ともいうべき存在となり、すっかりファッショナブルなアイテムとして世界中で愛されるミネトンカ。彼らはそうなった今なお、伝統的な機械に頼らないハンドメイドのモカシンを働く人々の個性を生かしつつ、創業当時から守り作り続けています。